第10回講演会ご報告!

 2018210日 記念すべき「第10回鹿児島腎と薬剤研究会」を開催しました。連休前にも関わらず、多くの先生にご参加頂いてありがとうございました。

 

【一般演題①】

 中ノ丸薬局の中村宏洋先生より「保険薬局における腎機能評価と処方提案」と題してご発表頂きました。腎排泄型の薬物から対象薬を選定して調査されたところ、約10人に1人が過量投与されている現状があり、薬剤師の介入によって副作用の改善や医療費の削減に繋がったとのご発表で、調剤薬局での貴重な取組みについてご講演頂きました。

 

【一般演題②】

 吉田温泉病院の西川弘剛先生より「CKDシールについて〜鹿児島市薬剤師会の取組み〜」と題してご発表頂きました。鹿児島市薬剤師会ではeGFR60ml/min/1.73m2が3ヶ月以上持続する患者さんを対象にCKDシールをお渡ししてお薬手帳に貼ってもらう取組みを開始されています。現状と今後の展望についてご講演頂きました。

 

【一般演題③】

 ホワイト薬局の二木ひとみ先生より「使ってみました、CKDシール」と題してご発表頂きました。実際にCKDシールを使い始めたきっかけの症例や患者さんの反応など、実際の現場での取組みについてご講演頂きました。

 

【特別講演】

 

 静岡県浜松市より株式会社レーベンプラン取締役の伊藤譲先生をお招きし、「薬薬連携におけるCKD対応」と題してご講演頂きました。一部の病院からは処方箋に検査値が記載されるようになってきましたが、例え検査値が記載されていなくても処方箋を受けた時点で薬剤師には相応の責任が生じています。例えばお薬手帳に検査値を記載したり、薬局の検体測定室を稼働したりすることで、安全な薬物療法を患者さんに提供されていることをご紹介して下さいました。

 

透析導入の原疾患となる糖尿病腎症や慢性糸球体腎炎、腎硬化症などに対する薬物療法を効果的にかつ安全に進めるために、薬剤師がどのように関われるのかについて分かりやすくご講演頂きました。また、これらの薬物療法に関わる専門的な資格として腎臓病薬物療法専門・認定薬剤師制度や腎臓病療養指導士制度についてもご紹介頂ました。

 今回ご講演頂いた伊藤讓先生を大会長として、今年1020日、21日に静岡県浜松市で「第12回日本腎臓病薬物療法学会 学術集会・総会2018」が開催されます。「腎を通して患者を守る〜薬薬連携の未来に向けて〜」をテーマに熱い学会となることが期待されます!